「あっ、この靴屋さんみたいな。入ってもいい?」
「あっ、うん!」
本当は里奈の手を握ってしまおうかとも思ったんだけど、そんな度胸はないし、里奈もびっくりしてしまいそうだから、やめておいた。
「りょうくん、靴が好きなの?」
「うん。スニーカーを集めるのが好き。」
里奈が退屈してないかを気にしながら、僕は奥へと進んでいく。
「……わぁ、このスニーカー、カッコいいな。」
黒地に紫のラインが入ってる。
欲しいなぁ……。
「えっと……5500円だって。」
里奈が値段を僕に教えてくれた。
里奈は5500円という数字に怯えている感じ。
「……どうしよっかな。」
靴はそれくらいの値段がしてもおかしくないんだけど、
衝動買いをしていいものかどうかを悩んで、決断がなかなかできないでいた。
……その時


