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「て…填魔ぁ!?」

「る…琉乃…か?」

そこには、ボロボロで血だらけになった、填魔がいた。

そっとあたしの頬に触れる手がいとおしい。

「悪ぃな。琉乃を迎えに行けねぇや。」

泣いてるあたしの涙を手で拭う。

「大丈夫だよ?あたしは個々にいるから…」

あたし達はぐっと涙を堪えて、言葉を発する。

「なぁ、琉…乃?お前にとって俺は邪魔だったか…?」

「え…!?」

あたしはその言葉にびっくりした。

でも、

「そんなことないよ…?あたしは填魔が好きだもん。」

「なら…良かった…。」

「あっ!?て!?填魔!?」

足の先から、どんどん消滅していく填魔。

「や…やだよ!て…填魔ぁ!?」

「今まで、楽しかったぜ…。この指輪、無くすなよ…。」

お腹の当たりまで消滅したところで、唇に違和感。

キス…されてる。

「待ってろ。必ず、迎えに行くから。」

「うん…待ってるよ。」

パァ―ン‥‥

そんな効果音がお似合いだろう。

そして填魔はいなくなった。

何でだろ、あたしには、まだ填魔が居るような感じがする。

心が…温かい。

でも…彼は居ない。

まだ填魔に「ありがとう」って言ってない。


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