「た…ただいま」
「ん。」
填魔は待っててくれたんだ。
「その…ごめんね。」
「なにが」
「あたし…ッ!?」
填魔は出ていく用意をしてた。
「悪ぃな。もうじき出るんだ。」
「え……。」
だめだよ。
まだ…好きって言ってない。
「なぁ、琉乃?」
「な…なに??」
「これはな、お前が俺の物だって証。」
「え……!?」
左手薬指にはめられた、可愛いリング。
「じゃあ…な。」
そう言って、填魔は【魔界】って所に消えて行った。
「う…嘘でしょ?」
あたしは地面にへたりと座りこんだ。
まだ…たくさん話したい事あったのに。
「貴女は…どうしたいのですか?」
「Σ誰ッ!?」
「私は白煉と言います。填魔様の執事です。」
「あ…はい。」
あたしは何もかもが理解出来なかった。
「吸血鬼にとって、人間とは食料なのです。」
「は…はい。」
「その…人間に恋をした吸血鬼はどうなるかお知りですか?」
「え…?わかんない…」
「【死刑】…ですよ」
「う…嘘でしょ!あの填魔が!」
「嘘では有りません。だから…最後まで一緒居てやって下さい。」
「………」
あたしは無言で頷いた。
「なら、良かったです。では、行きましょう?」
そう白煉さんが言った瞬間、【魔界】と言うところに着いた。
テレポート、という力を使ったらしい。
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