何故かはかない笑顔だった。 彼の肌は白く透き通っていて、 細身な体だった。 「よかったら、少し話さない? 同級生と話すの久しぶりなんだ。」 ナツは黙って頷いた。 並んで階段を歩いた。 彼の横顔は見とれるほど 綺麗だった。 鼻筋もしっかりしているし、 目は一重だが、 妙に力強い。 重い屋上の扉が、 ぎいと音をたてて開いた。