病室までこんなに遠かっただろうか。 初めて無我夢中でここに来たときは、 距離なんて感じなかったのに。 それが、今は遠い。 深い沈黙の中 2人は無言で歩いて行く。 たった1メートルの距離が 果てしなく先のもののように思えた。 そして、 遂に病室に辿り着いた。 病院独特の匂いが鼻をついた。