帰ったら携帯で連絡をしようと思った。 が、 ナツはコウの連絡先を知らなかった。 何も知らない。 何もしてあげられない。 その事実がナツの心を 突き刺した。 途端に涙がこぼれた。 コウのこと、 もっとちゃんと知りたい。 コウと会って話がしたい。 コウが好きだ。 あの笑顔に会ったときから 惹かれていた。 一緒にいて楽しかった。 できるなら何かしたい。 そばにいたい。 ただそれだけ――