しかし、その次の週。

坂田は学校を休んだ。
1日も来なかった。


――不安がよぎる。




ナツは、職員室を訪れた。


「先生」

「奏?どうした?質問か?」

「違います。
…坂田君のことで。」


坂田と聞くと、
先生の顔色が変わった。


「坂田君調子悪いんですか?」

「坂田のこと知ってるのか?」

「本人から聞きました。
心臓がよくないって…。
今週学校来てないから
心配になって。」



先生は唸った。

「そうか…。
坂田が自分から話したのか。
今病院にいるはずだ。」


不安は当たっていたのか。



「〇〇病院にいる。
見舞いに行ってやったらどうだ?」


見舞い…
その一言を聞いた瞬間
坂田に会いたいと思った。
会える可能性が
あることが嬉しかった。


「…失礼します!」


そうと決めたら
いてもたってもいられなかった。



「坂田が自分から奏に
言ったのか…。」

びっくりだな、と先生は笑った。


ナツの背中を見つめながら。