そして夜。
すっかり、私の部屋に来て一緒に晩ご飯を食べてから帰ることが定着しつつある有紗が私の帰りを待っていてくれた。
「お帰りなさい、センセ」
「ただいま、有紗」
鍵の開いた音に反応して有紗が玄関まで、ちょこちょこと小走りで来てくれた。
「今日は何ですか?」
私がジャケットを脱ぐと、自然にそれを受け取る有紗。
甲斐甲斐しい愛おしい彼女。
これは新婚家庭によく見られる光景、そう有紗が着ているものが制服でなければ誰もがきっと私たちを夫婦と見るだろう。
それでも私たちは未だに「教師と生徒」を演じながらもこうして秘密裏に逢瀬を重ねている。

