髪を乾かして、着替えて外に出た。 時間は8時半。 まだ全然早いんだけどなぁ。 何とも思わない。 僕は17年間も、親父の気まぐれと付き合ってきた。 いちいち苛立ったり、哀しんだりするのは時間の無駄だから。 僕は、おとといの客に連絡した。 3回目のコールくらいで、電話にでたその人は 何回も僕を買ってくれている。 「朝早くにごめんなさい。今から、どうですか?」 聞くと、OKだった。 その人は迎えにきてくれるらしい。 まだ活気のない商店街を抜けて、駅でその人を待った。