『婚約―――!?』



凪ちゃんはここが学校だということを完全に忘れ、大声で叫んだ



私はゆっくり頷いた


『それってあんたがよね…?』


凪ちゃんは私を指差しながら目を丸くした


「そうだよ…?」


『だって…あんたには高屋先輩がいるじゃない!?』



凪ちゃんは椅子から立ち上がり、バンッと机に手をついた


「だから困ってるんだよ…」



私はため息をついた


『ずるい―…』


思わずそう洩らした凪ちゃんを思いっっきり睨みつけた



「凪ちゃん…私、本気で怒るよ!!」



『……ごめん。』


私の迫力に押されたのか、凪ちゃんの口から珍しく謝罪の言葉がでた



凪ちゃんは椅子に座り直した



『だから昨日は休みだった訳ね…』



「うん。紘一さんの会社に行ってた。」



『私はてっきり…』


凪ちゃんはいきなり歯切れが悪くなった