『父さん、娘の美弦です。』



父さん!?



『美弦、おじい様だ。挨拶しなさい。』



私はしばし呆気にとられていた


おじい様!?


この人が…?



紘一さんのそばに立っていた初老の男性はいかにも不愉快そうに私を見た



「はじめまして…美弦です…。」



もしかしなくても気に入られてない…?

初対面だしね…



おじいさんはついにその重い口を開いた


『紘一、わしには孫はいないはずだが?』



『そうでしょうね。僕も初めて紹介しましたから。』



俺から僕に一人称を変更した紘一さんはわざとおじいさんの神経を逆撫でするような言い方をした



『わしは認めんぞ!!勝手に子供なんぞつくりおって!!』



声を荒げ紘一さんを怒鳴りつけるおじいさんの額にはくっきりと怒り皺が現れた