“お客様”ってことはここの従業員の人?


たっ助かったぁ!!



私はこれ幸いとばかりに自分の状況を訴えた



「あのっ…迷っちゃって…」



『確かに当ホテルは広いですからね。ご案内致しましょう。』


その男性のささやかなフォローに私は真っ赤になった



もう2度と迷うもんか…っ!!



『どちらまででしょうか?』



えーと…


記憶を必死に探る


「松の間まで…」



『かしこまりました。』



その男性はニコリと笑った



不覚にも私はその笑顔に見とれてしまった



かっこいい―…//



20代前半であろうその男性は大人の魅力たっぷりの静かな動作で私の前を歩き始めた



私もそれに続く