コンコンッ


ノックの音が室内に響く


『おい!!こっちは待ってるんだから早くしろよ!!』


匡人先輩は扉の向こう側から私と愁を怒鳴りつけた


『行こうか?』


行くって…


「どこに…?」


愁はニヤッと笑った


『俺と美弦の婚約パーティー。』




………



「え―――ッ!?」


まっ!!ちょっと待って!!


「行動、早過ぎ!!」


動揺する私に愁はあくまで冷静だった


『高梨会長がしっかり発表しろって言ったんだよ。』


いや、でも早過ぎだから!!


『嫌…?』


愁は捨て犬のような目で私の顔を覗きこんだ


うっ…


「嫌じゃない…//」


愁には弱いんだよ~//


『じゃあ、行こう』


愁は私の手を引っぱった―…