『左手貸して…?』
私はそう言う愁に従えなかった
「それは愁のだもん…」
何だか後ろめたかった…
指輪をとられたって言った時に恭也さんにキスされたことも一緒に思い出した
あの時は仕方がなかったって思ってるけど…
愁の指輪をする資格があるのかなあって思ってしまう…
『もしかして…いらない?』
私は首を横に振った
むしろものすごく欲しいです…
『じゃあ何で…?』
愁は優しく聞いてくる
怒らないかな…?
「あのね…?」
私は愁の耳元で簡潔に想いを述べた
言い終わった後…愁の顔が上手く見れなくて俯いてしまった
怒った…?



