『大丈夫…?』
今度はクスッと笑いながら手を差し出したその人に私の目は釘づけになった
広い肩…
スラリとのびた脚…
柔らかくて少し癖のある髪…
長い指…
低くて甘い声…
私の全身がこの人を欲していた―…
「愁…っ…」
ねえ…今度こそ幻じゃないよね…?
差し出された手を強く掴む…
その温かさに涙が出そうになる…
本物の愁の温もり…
会いたかった…っ…
愁は空いたほうの手で床にしゃがみこんだ私の腰を掴み、一気に立ち上がらせた
「久しぶり…」
そう呟いた愁の眼はあの日の冷たさとは正反対の優しい眼をしていた――…



