珍しい…
恭也さんは大体、朝早くから夜遅くまで帰ってこない
「どうか…したんですか…?」
恭也さんは慌てた様子で書類などをまとめていた
『今から出かけてきます。取引先でトラブルがあったらしいんです。
帰りは遅くなりますが、明日までには戻りますよ。』
恭也さんは私に微笑みかけると部下らしき人と一緒に出て行ってしまった
パタンと扉が閉まる
恭也さん…いないのか…
じゃあ今日はひとりなんだな…
まだ寝起きの頭の働きは鈍く、遠ざかる意識の中でそう思った
眠い…
先ほどの睡魔が襲ってきて私は再びソファに横になった
何であんな夢を見たんだろう…
諦めの悪い私に神様からの最後のプレゼント…?
だとしたら逆効果だな…
恋しい気持ちがまた蘇ってきた
ここ数日はだいぶ落ち着いていたのに…
私は胸の内から溢れ出す気持ちを抑えつけるようにより深い眠りに落ちようとした―…



