『父さんは美弦に言ったらしいんだ。“恭也くんを説得できたら婚約は中止だ”って…。
美弦は多分断りに言ったんだろうね~。素直な子だから。』



「っということは…」


あの野郎…美弦に何したんだ…!?


加賀美の余裕綽々の顔が目に浮かんだ



『無理矢理、婚約発表まで持ちこもうってことだよね~。
もうこれはぶち壊すしかないでしょう~♪』


紘一さんは口振りはさも楽しそうだったが、こめかみがピクピク動いていることからそうとう怒っていることが窺える…



『愁、俺は美弦が選んだなら加賀美くんでもいいと思ってた。
でも美弦の意志じゃないなら俺は認めない。』


俺は頷いた


婚約なんてさせるか!!


美弦と未来を歩んでいくのは俺だ


「紘一さん…もうひとつ…頼みたいことがあります…」



俺は自分の決意を口にした――…