「もうやだよぉ…」


私は愁の胸をドンドン叩き始めた



私の意志とは反対にどんどん愁は進んじゃう



ホントのお嬢様になんてなれなくてもいい…



「もうやだぁ…」



今にも泣き出しそうな私を愁は抱きしめた



『あ―…ごめん…俺が悪かった。少し強引だったんだよな?』



私はコクコクと頷いた



『なれないことばっかりでびっくりしたんだよな?』



私はまたしてもコクコクと頷いた



「…お嬢様になんかなれない…こんなこと簡単にできないもん…」



そう言って愁にぎゅーっと抱きついた



『……美弦はそれでいいよ…』



愁は私の頭をポンポン叩きながらゆっくり体を離した




『良いところに連れてってあげる』


愁は笑いながら私の手をとった