私の目はその一点に釘づけになった
窓に両手をつき食い入るようにその背中を見つめる
愁…!!
どうしよう…行っちゃうっ!!
私はチラッと店内を確認した
恭也さんはまだ支払いの最中だし…
2人いる見張りのうち1人は車をとりに行ったから頑張れば逃げられそう…
遠ざかる後ろ姿…
次の瞬間には店を飛び出していた
『美弦様!?』
見張りの人は突然走り出した私に度肝を抜かれていた
ごめんなさい…っ!!
心の中で謝りると私は人でごった返す街中に消えていった
愁!!
待って!!行かないで!!
人にぶつかりながら私は必死になって追いかけた
「愁!!」
人ごみのせいか私と愁の距離は一向に縮まらなかった
お願いっ!!待って!!
「愁!!」
やっと腕を掴んだ時には汗だくになっていた…



