その後も靴やアクセサリー普段のメイク道具にいたるまで
ありとあらゆるものを買い揃えてもらった
いくら使ったかは途中から考えるのをやめた
罰が当たるどころか地獄に墜ちるな…これ…
ぐったりと車のシートにもたれかかっていた私を
『美弦…着いたよ?』
愁が呼ぶ
まだあるのか…
そう思いながら車を降りる
車をでるとそこには大きなホテルがあった
『最後に食事してこ?』
愁はそう言うと私の手を引っ張って中に入ってしまった
ここで!?
明らかに場違いなんですけど…
愁はどんどん中に進んでいく
「愁っ!!待ってよっ!!」
愁に手を引っ張られながら私は叫んだ
『なに?』
私の叫びが届き愁は足をとめた
「やだ…私、ここで食事するの嫌…」
『美弦…?』
「私…こんなことがしたくて高梨美弦になるわけじゃないっ…」
私は萎縮してしまったのだ
お金の使い方
似合いもしない洋服
どこにも私の知っているものがない



