「美弦…」


俺は美弦の名前を呼んだ


世界で一番愛しいその名前を…


でも今は名前を呼ぶだけでも少し…心が痛い…


『愁…っ…』


美弦は振り返ると俺の目を真っ直ぐ見つめた







ごめんな…美弦…守ってやれなくて…

昔…美弦の笑顔を守るって誓ったんだ

あの時から随分経ったな…

俺は守れていたか…?

もし…そうなら嬉しい…

できることならこれからもそばにいたい―…

でも…

俺が苦しめてたんだよな…?

縛りつけて…自由を奪ってた

いっぱい泣かせて…傷つけて…

挙句の果てには気持ちを押し付けて無理矢理抱こうとした

だから…もういいよ…

俺より美弦に相応しい奴がいる

それならどこへでも行けばいい…

美弦が幸せになれるなら俺のことは忘れていいから

ただ覚えていて欲しい…君が俺を愛していたってことを…

それも俺のわがままかな…?


「美弦…」


好きだよ…だから…