ずっと…漠然とした不安はあったんだ…



美弦と紘一さんのところに行ったあの時から…














『愁、父さんは…高梨会長はお前と美弦の交際を認めないだろう…』


美弦が社長室を去った後、紘一さんは俺に残酷ともいえる言葉を吐いた


「それは…俺が本当の高屋の人間じゃないからですか…?」


『……そうだ。』


しばしの沈黙の後、紘一さんはゆっくり頷いた


もう俺の宿命だな…


思わず自嘲の笑みがわく


紘一さんは椅子から立ち上がると俺の肩を叩いた


『話はそれだけだ。美弦が待ってるんだろ…?』


紘一さんは有無を言わさず俺を社長室から追い出した