俺と愁はソファーに座った
愁が真面目な顔して話があるなんて言うからわざわざ来てやったんだ
よほど深刻な話題なんだろう…
「さっさと言えよ。」
ソファにドカッと座り、俺は愁の言葉を待った
長い沈黙の後…愁はポツリと呟いた
『俺…美弦を失うのが怖くてしかたないんだ…』
愁はクシャっと髪を掴んだ
『美弦があいつを選ぶんじゃないかって…不安になる…』
愁は再び頭を抱え始めた
「だからって身体で繋ぎとめたって仕方ないだろう?」
『分かってるっ…でも止まらなかったっ…!!』
愁は悔しそうに唇を噛み締めた
俺は冷静さを欠く愁なんて初めて見た
ここまで弱くなるものなのか…?
愁と美弦ちゃんはお互い特殊な環境におかれていた
その中で2人が惹かれあったのも必然かもしれない
お互いを唯一の人だと思っているのだから…
失うかもしれないという恐怖心は計り知れないのかもな…
俺は愁の肩を軽く叩いた



