連れて来られたのは愁のマンション
「んんっ!!」
部屋に着くなりいきなり唇を塞がれた
扉を背にし、手首を掴まれたために逃げ場がない
私は愁の乱暴過ぎるキスを受け入れるしかなかった
「っん…!!」
愁は私を貪るかのように荒々しく口づけを深めた
いつもと違う…っ…
頭の片隅でそう思った
愁のキスはいつだって私を慈しむように
甘くて…
とろけそうなる…
でも今の愁からはそんなことは微塵も感じられない
「っあ…いやっ!!」
私は顔を背け愁から逃れようとした
こんなの愁じゃないっ!!
『こっち向けよ。』
冷たい…愁の声…
愁の言葉に従うようにゆっくりと視線を戻すと初めてきちんと眼が見れた…
愁の眼は…
鋭利な刃物のように私に突き刺さった…



