「愁ぅ…」
私は泣きそうになりながら愁に電話をかけた
《美弦…泣くなよ?》
「だってぇ…」
私が行っても仕方ないじゃない!!
《高梨美弦になるって決めたんだろ?》
「うっ…」
確かに…
紘一さんに隠し子はやめたいって言ったのは私だよ?
でもね…?
私はやっぱり庶民なんだよ…
煌びやかなパーティーとかぜえっっったい似合わない!!!
《何がそんなに嫌なわけ?》
愁は我慢強く私の話を聞いてくれた
「愁…」
《正直に言って?》
電話越しに愁の優しい声が聞こえる
その声に促されるように私はポツリと気持ちを吐き出した
「自信がないの…」



