「元気そうで安心したよ!ところでなんでこんなとこにいるんだ?」

「拙者、魔術学園から任務を課せられているゲスよ」

「任務?」

「マロンが魔術を使えるまで修業する間の監査役でゲス。流石に拙者でも今回ばかりはいつ魔術学園に戻れるか不安で……」

シナモンのヤツ、言いたい放題言ってくれちゃって!

「だったら、俺が魔術の使い方教えてやるよ」

「なるほど!!それは名案でゲス!魔術学園を主席で卒業したミントなら……」



「ちょっと!あんたたち!!二人だけで話進めないでよね!」



冗談じゃないわよ!即席だか助手席だか知らないけど、誰がこんなヤツに教わるもんですかっ!!(←初対面でいろいろ見抜かれてイライラしている)

「じゃあ、マロン一人で魔術を使えるようになるんでゲスか?」

一週間、一人で修業してもダメだった事ばかりが頭の中駆け巡る。

「それは……そうだけど」

反論できないのが悔しい。

「イヤならいいんだぜ。俺だって出来そこないを相手にするほど暇じゃねぇんでな」

こ、こいつ〜ぅぅっ!!!

しかし、ここで争っても私の方が分が悪いことくらいは心得ているつもりだ。



「はぁぁ……仕方ない……分かったわよ!」

「よし!決まりだな」



私の怒りに満ちた鉄拳は、行き場をなくしたままプルプルと震えていた。