「すいません、 中に入りたいんですけど」 「あっ、すみません」 考えごとをしていて、入り口をふさいでしまっていた。謝って道をゆずる。 その声が聞こえたのだろうか、松本先生がこっちを向き、わたしに気付いたようだ。 わたしはどうしたらいいかわからず、ただ先生を見つめることしかできない。 すると先生はすこし悲しそうな顔で笑い、手招きしてくれた。 やっぱり先生は大人だと思う。