鳥海くんはいつの間にか、笑うことをやめた。 手で、顔を覆っている。 肩を、震わせて。 その震えは、怒りや自嘲からくる笑いではないと、思う。 そんな彼をじっと見据えて、わたしは溢れ出続けた最後の言葉を、できるだけやさしく言った。 「わたしは、 捨てたりしない」 彼の肩が、その言葉を聞いたとたん、ぴくりと反応をした。 これ以上は、わたしがここにいる必要はない。 ………あとは彼が、 彼自身と戦うだけだから。