わたしの耳はそれ以上、彼の言葉をはっきりと捉えることはなかった。聞くことをやめた今でも、彼は自嘲気味にいろいろ話している。
彼の背後の朱色に染まっている空がまぶしくて、目を細める。
そうしないと、目が、痛いから。
だから、今、わたしの目から伝っているものは、夕日のせい。
「俺」を隠し、「僕」という偽りの姿しか見せてもらえない、うわべだけの友情だったとわかって、悲しいからなんかじゃない。
その友情も、自分から手に入れたものではなく、与えられたものだったとわかって、悲しいからなんかじゃない。
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