そこでわたしはもうひとつ、気付いた。 鳥海くんが『高校生のための性教育』を返却した日、松本先生から金平糖をもらった。そのとき、松本先生が読んでいた本。 『家庭の医学』のような本。 松本先生は目録作成のために、本を読んでたんじゃなかったんだ。 妊娠の兆候にきづいた先生は、本当に妊娠したのか、誰の子どもなのか、それらについて調べたかったんだ。 あのときから、ふたりは。 わたしが友だちができて、嬉しかったときから、ふたりは。 ふたりは、 苦しんでいたんだ。