夕焼けに染まる空に背を向け、フェンスに寄りかかっている人。 彼だ。 いた。 やはり、この屋上に、いた。 うつむいているようで、表情はよくわからない。 「……ひとりになりたいんだけど」 わたしが来たことがわかったのか、屋上に足を一歩踏み出すなり、彼は言い放つ。だがわたしは構わず、彼との距離をつめる。 「わかってる。だけど、ひとりにはできないと思って」 彼まであと五歩の距離だ、というところで止まる。