「そんなわかった風なようなこと言わないでよ!何を言ったってあなたはまだ未成年。この子の父親は地位も名誉も保障された成人なの」 この子の、と言うとき、松本先生はまだそんなに目立っていないお腹に手をあてながら言った。あそこに、命が宿っている。 「だから、僕を捨てるの……?」 あの、救いを求めるような目。 先ほどの無機質な表情はなんだったのだろうか。いまの彼は、わたしの知っている彼だ。