「きょうは出張じゃないはずだから……職員室で仕事になっちゃったのかな」 そう言いながら、鍵を開ける。 出張ではないのだから、もうひとりの顧問に断る必要はない。 「しつれいしまーす……」 静かに、入る。 本棚に囲まれて並べられている机を見渡すが、やはり、人気はなさそうだ。 内側から、鍵を閉める。 先生が席を外すのに、鍵を掛けていったほどだから、先生が帰ってくるまで、他の生徒はいれてはいけない。