鳥海くんがわたしの名前やクラスを知ったのは、

 松本先生に聞いたからだそうだ。

 あの放課後、

 鳥海くんはわたしに宿題を出して、

 自分の教室に帰り、

 まだ教室に残っていた友達と軽く話し、

 家へ帰ろうとした。

 そこで、あることに気付いたそうだ。
 
 わたしの名前を聞くのを忘れたことに。

 鳥海くんは、

 急いで図書室に行ったと言う。

 しかし、わたしはもうすでに帰宅したあとで、

 司書室にいた松本先生に尋ねたと、


 そういうわけだそうだ。