「まずはどうしてわたしの名前とクラスを知っているのか、
言うのが先じゃないんですか?」
「なぎこって意地悪だね。
そんなことどうでもいいでしょ!それよりさ、」
「考えてません」
ぷんすか、という言葉で怒り方を形容すると、
ぴたりとあてはまる彼をさえぎり、
さきほどの彼の「答えはわかったか?」の問いに答える。
「また会えるなんて思ってもいなかったし、
考えてない」
「僕、「またね!」ってこの前言ったよ」
「お互いに名前もクラスもわからないのに、
まただなんてあるわけが、」
そこで始業のチャイムが鳴ってしまう。

