わたしはそれを見て、決心した。 大きく息を吸い込む。まっすぐに、彼を見る。 「ゆ……ゆき……」 わたしの手を拭うために下を向いていた彼が、顔をあげる。 目が、まともに合ってしまう。 彼の瞳に、わたしが映っている。