まだ、そこまでの勇気がでなかったわたしは、その言葉にほっと胸をなでおろす。 でも、目に見えてしょんぼりしている鳥海くんを見ると、傷つけてしまったかな、という罪悪感も押し寄せる。 謝ろうと、口を開きかけたが、彼が口を開くほうが早かった。 「その代わりにさ、 ひとつお願いがあるんだけど……」 罪悪感があったためか、彼の言葉に、 「もちろんいいよ。 なんでも聞くよ!」 と即座に返答する。 子どもが欲しいどうのこうの以外のことなら、どうにか叶えてあげられることはできそうな気がする。