そこでわたしは、ふと疑問に思う。 「次」とはいつのことを言うのだろうか。 新しい本は借りていかなかったわけだから、 それを返しに来たときという「次」はない。 それに、わたしは彼の名前もクラスも知らない。 彼だって、わたしの名前もクラスも知らないだろう。 ただひとつわかることは、 この学校には普通科しかないから、 同じ科だということだけ。 と、いうことは、 とうぶん会うこともないだろう。 そのように、わたしの頭をよぎる。