「サボリかよ」


 わたしの腕を掴んだ手の先を目で追うと、そこには、なつかしい顔があった。
 笑ってる。


「……違うもん」

 あの日から数日が経ち、きょうまで1度も会えなくて、久しぶりにあったのに彼に一瞬で状況把握をされくやしくなり、事実だったがそれを否定しながら体を起こす。

 くやしさと同時に会えて嬉しくなったわたし。

 頬をなでている風のような笑顔でいる彼。

 しかし彼はそんなわたしのことなどお見通しのように、そのままの表情で、親切丁寧にサボリについて、説明してくれた。


「授業にでないでこんなところで寝てる奴のことをサボリっていうんだよ」

「違うもん、サボリじゃないもん」