白と黒の意味

　あれだ。

　鳥海くんが、自嘲しながら言っていた、あれ。

「お前と仲良くしてやったのは、春菜に頼まれたからだ」って、やつだ。



「こんなに、
　仲良くなるとは思わなかったけど…」


　やさしい表情でわたしの顔をみる。

　先生の気持ちがうれしい。

　こんなにわたしは先生に想われていたんだ。

　先生とも、出会えてよかった。


「でも先生、わたし…」


　喜ぶ心とは裏腹に、先生への罪悪感が心のなかで波打っている。


「わたし、鳥海くんとは、
　仲良くなれなかったみたいです」