「凪子ちゃんと行成は、 つねに、独りだった」 独り?? 孤独だったってこと?? わたしにはともだちがいなかった。 うん、それはわかる。 だけど、鳥海くんは? 鳥海くんは違うよね?? みんなの人気者って…… 「行成は、輪のなかにいるけど、 どこか壁を作っていて、 本当にともだちって呼べるひとは いなかったのよ」 わたしの心を読んだわけではないのに、わたしの疑問にさらりと答えてしまう先生。 「ふたりが出会ったら、 きっと、仲良くなれるって思ったの。 だから、行成に頼んだの」