不安定帰路【短編】


「実は、告白されたんだよ。クラスの子に」



心臓が大きく揺れた。



まさか、それで彼女が出来たから距離おいたの?



「あ、違うからな。好きじゃないし、付き合ってもないから」



慌ててそう付け加える。



「だだ、ごめん。ちょっと揺れた。『私を好きになった方が楽だよ』って。俺も一瞬今の状況から抜け出したくって、一回デートした」



俊樹が私の背中を軽く押してベンチへ促す。



私も黙ってそのまま一緒にベンチへ座った。



「でもさ、やっぱダメだった。他の女じゃダメだったよ。よく考えたらバカだよな。抜け出す方法なんて他にもあったんだよな」



少し笑って私を見下ろす。



真っ直ぐな瞳は優しく弧を描いている。