不安定帰路【短編】


「俊樹のバカ」



久々に顔を合わせることと、今から言う言葉が恥ずかしくてマフラーに顔をうずめた。



行き場のない両手は自然とポケットに入れられる。



そんな私は少しだけ、偉そうな体制になってきた。



「勝手に避けないでよ。離れるなら一言言え、バカ」



「……ごめん」



そのごめんが何に対するごめんかもよく分からない。



けど、言いたいこと山ほどある。



どうせ戻れないなら全部言ってやる。



「冗談は顔だけにしてって言ったじゃん。本気だけにして。中途半端止めてよバカ」



本気になってよ。
中途半端に好きを見せないでよ。



苦しくなるのは、私なんだから。
困るのは、私なんだから。