あーあ、誰もいない。 しかも…雨だし。 傘忘れちゃった…。 帰り、どうしよう。 そんなことを思っていた矢先。 ―――ガラッ。 教室のドアが開いた。 「真綾、わりぃな」 「いや、大丈夫…、話したいことって、何?」 「やっぱ…そうきたか」 「だって気になるじゃん!」 「俺、コワイ」 「え…?」 「この想いを伝えるのには、まだ早い。でも、今言わなきゃ、もうチャンスがねぇと思うんだ」 「どーゆーこと?」 「あー、…気付けよ」 「え…?」 その刹那。 ――ガバッ。 大きな影が私を包んだ。