――in莉奈の家の前





―ガチャ




鍵を開けてドアノブに手をかけた。




『ん?』



「どした?」



優子があたしの後ろから不思議そうに顔を覗かせる。




『鍵が閉まっちゃったんだけど。』



「さては莉奈、鍵閉めて行かなかったね?」



『えー閉めたよ。優子も今日の朝、“転入生が来たー”とか言って一緒だったじゃん。』




「あ、確かに閉めてたかも。つか転入生ってコイツだったけどね…」




あからさまにガッカリした顔で拓弥を見ながら言った優子。

「優子が期待し過ぎなんだよ。てかとりあえず家ん中入らない?」





『あ、そうだね』




あたしは鍵をさっきとは逆に回した。




―ガチャ





『ただいまー』




「あー莉奈んち久しぶりに入ったー♪」




「俺もー」



あたし、優子、拓弥の声が家の中に響く。





『じゃあ準備するかぁ♪』




「あ、手伝おうか?」



『ありがと優子。でもお客様は座ってて?』



「ん、了解♪」