そしてそのまま三人で学校を出て、家へ向かって歩く。



「で、さっきの続きは?」

と優子が拓弥に言う。



「あー大した事ないよ。ただ俺があっちの入学式でシクッて、正体が全校生徒にバレちゃってね…

だから“転入生”なの。マスコミもうるさいし、まぁ日本に帰るいい機会だと思って“一時帰国”って形で戻ってきたんだよ。」



「アンタも結構苦労するわね。」



「ハハッまあね。それより俺さ、莉奈に聞きたいことあんだけど。」



『な、何?』



突然話を振られて驚きつつ拓弥を見た。



「まだ、拓海の飯作ってんの?」



『うん。でも朝と夜だけね』



「ふうん」



「で、今日は何作ってあげるの?」



優子があたしを肘で押す。



『昨日作り損ねたビーフシチューかな?』



「さすが莉奈、拓海のこと思ってるぅ♪」

『ちょっ…優子、恥ずかしいからやめて』




なんか顔の体温が上がった気がする




「じゃあ、俺も食う」




『へ?』




今、この方何ておっしゃいました?




『拓弥?食うって…』




「莉奈のビーフシチュー」




真顔で返された…。



「えー拓弥だけズルいじゃん!あたしも食べに行こ♪」





えぇっ…優子まで?





拓弥連れて帰るなんて…拓海に怒られはしないだろうか?



まぁ、優子もいるからいっか!