チンッ
10階に着き、ナナの部屋の前に着いた。
ドアに手をかける。鍵は、掛かっていないようだ。
ドアを開け、少し広めの玄関で靴を脱いでいたら、どこかで見覚えのある靴が、あった。
誰か来ているのか?
俺以外の誰を部屋に入れているんだ。
そんな、変な怒りが湧いてきた。
少し長い廊下を歩いていくと、どこかで聞いたことのある声。
低くく、男らしい声。
いつもの俺だと、すぐに誰が来ているのか分かるのだ。
でも、今日は、自分とナナに話すことしか、頭になかった。
俺は、ドアに手を掛けた。
そしたら、ナナの部屋にいる人の顔が、見えた。


