初めてクラブに足を踏み入れた…
親父から話は聞いてはいたが予想以上のもので、俺の知っている世界じゃないっておもうほど店はキラキラしていた。


これからここでの生活が始まる。


―パンパン

「集合!」

親父がそういうとクラブの中にいたホストが5,6人、スタッフが4人出てきた。
この時はまだ都内にある小さなホストクラブだった。
のにち日本一のホストクラブになることなんて誰も思っていなかっただろう。

「今日入った新人ホストを紹介する。近藤望夢だ。」

「望夢です。よろしくお願いします。」

「近藤って…代表の息子さんすか?」

「そうだ。先週海斗(カイト)が辞め…引き抜かれただろ?だから、人が足りないし、人見つけるのも大変だから、しょうがないから、息子にでもやらせるかと思ってな。」

海斗さんって引き抜かれたんだ…

「息子さんって何歳なんですか?」

「15だ。」

「「15ー?!」」

「そうだ。未成年だが高校生くらいには見えるだろ?」

「「…」」

「お前ら望夢が未成年だってこと黙ってろよ。黙っていられないのなら辞めてもらっていいし、誰かに話していたらここにいる全員の仕事がなくなるんだ。そのことを肝に銘じろ。」