「美里依のことじゃね!!
俺のはなしを聞け!!
こんな俺でも、年上の初恋の相手がいた。
でも、そいつは、俺が一番尊敬している奴が、好きだった。
それでも、俺は、諦めなかった。好きなのに、諦めなくていいと思ったから。
でも、最後には、振られた。
だから、隆司は今、前の俺とほとんど同じ状況なんだ。
だから、自分のように思った。
だから、隆司も、諦めないでほしいんだよ……」
静かに、俺の目からたくさんの水が滴れてきた。
それでも、俺は、話を続けた。
「それに、俺には、別に好きな奴がいるんだ。」
自分が発した言葉に、自分自身が、すごく驚いた。
「だから、俺は、美里依のことは、好きじゃない。」


