「でも、一番何を考えているかわかんないやつだけど、一番心が弱いんだ。」
「そう。俺たちさ、小さいときからの仲なんだよ。小さいときから泣き虫。飼っていた虫が死んだときだって、ボールの空気が抜けたときだって。」
「本当に、泣き虫だったんだ。」
「ホント、しょうもないことで、泣くんだよあいつ。ほっとけばいいんだけど…、けど、ほっとけないんだよ。」
俺は、思った。
もし、この3人の中に夢果の好きなやつがいて、そいつに、弁当を渡して、昼に食べてて、俺が夢果のことが好きだって言ったら、貰った弁当食えって言われたら、なんか嫌だ。
嫌だって言ったら、食わないって言われて。
俺だって、それが本当にあったとしたら、嫌だ。ムカつく。
隆司の気持ちがわかった。
どんなに、それが嫌なことなのか。


